ブルガリアンスクワットは、後ろ足をベンチなどの台に乗せて行うスクワットです。
お尻の大殿筋と、太もも前の大腿四頭筋を中心に下半身をしっかり鍛えられます。
普通のスクワットとの大きな違いは、片脚に負荷を集中させやすいこと。
見た目は両脚を使っていますが、前脚が大部分の力を受け持つため、自重でもかなりきつく感じる種目です。
まずはここだけ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 主に効く | 大殿筋(お尻)・大腿四頭筋(太もも前) |
| 一緒に働く | ハムストリングス・内転筋群・中殿筋など |
| 回数 | 左右8〜12回 × 2〜3セットを目安に |
| 重量 | まずは自重。安定したらダンベルを追加 |
見た目・スタイルへの影響
ブルガリアンスクワットでは、お尻の大殿筋と太もも前の大腿四頭筋をしっかり使います。
大殿筋が発達すると、お尻に丸みや高さが出やすくなります。
一方で、大腿四頭筋も鍛えられるため、発達すれば太もも前の厚みが増えることがあります。
そのため、ブルガリアンスクワットも単純な「脚やせ種目」ではありません。
お尻や太ももに筋肉をつけて、下半身にメリハリを出したい人に向いている種目と考えると分かりやすいでしょう。
※筋トレだけで太ももやお尻の脂肪を部分的に落とすことはできません。
どこを鍛える?

主役は大殿筋と大腿四頭筋です。
しゃがんだ位置から立ち上がるときに、大腿四頭筋が膝を伸ばし、大殿筋が股関節を伸ばします。
さらに、もも裏のハムストリングスや内ももの内転筋群も働きます。
片脚を中心に身体を支えるため、骨盤を安定させる中殿筋なども補助的に使われます。
ブルガリアンスクワットは、
「お尻+前ももを中心に、下半身を片脚ずつ鍛える種目」
と覚えると分かりやすいです。
普通のスクワットと何が違う?
「普通のスクワットでも脚を鍛えられるのに、わざわざブルガリアンスクワットをする意味はあるの?」
と思う人もいるでしょう。
一番大きな違いは、片脚に負荷を集中させやすいことです。
後ろ足を台に乗せたスプリットスクワットを調べた研究では、身体を支える鉛直方向の力の約84%を前脚が担っていました。
普通のスクワットでは左右の脚を同時に使いますが、ブルガリアンスクワットなら左右を別々に鍛えられます。
また、片脚に負荷が集中するため、バーベルで大きな重量を担がなくても、自重やダンベルだけで脚を追い込みやすいのもメリットです。
ただし、ブルガリアンスクワットのほうが普通のスクワットより筋肉がつくという意味ではありません。
片脚トレーニングと両脚トレーニングを比較した研究では、筋肥大には明確な差が確認されていません。
両脚で大きな重量を扱いたいなら通常のスクワット、片脚ずつしっかり鍛えたいならブルガリアンスクワットというように、目的によって使い分けるのがおすすめです。
ブルガリアンスクワットのやり方
- ベンチや台を背にして立つ
- 片足を後ろの台に乗せる
- 前足を、安定してしゃがめる位置に置く
- 前脚に体重を乗せながら身体を真下へ下ろす
- 前脚で床を押して立ち上がる
後ろ足は、身体を持ち上げるためというよりバランスを取るための補助として使います。
「後ろ足で蹴る」のではなく、前脚でしゃがんで前脚で立つイメージです。
上体は無理に垂直にする必要はありません。
背中を丸めず、股関節から自然に少し前傾する程度で行いましょう。
前足は、かかと・親指側・小指側が床から浮かない位置に調整します。
よくあるNG
NG① 膝が大きく内側に入る
立ち上がるときに前膝が大きく内側へ入ると、脚を安定させにくくなります。
膝とつま先がおおむね同じ方向を向くようにしましょう。

NG② 後ろ足で強く蹴る
立ち上がるときに後ろ足でベンチを強く押すと、前脚への負荷が逃げやすくなります。
後ろ足はバランスを取るための補助と考え、前脚で床を押して立つようにします。

NG③ 前足のかかとが浮く
しゃがんだときに前足のかかとが大きく浮く場合は、足の位置が合っていない可能性があります。
足裏全体を床につけたまま上下できる位置に調整しましょう。

NG④ 身体が大きく前後に動く
ブルガリアンスクワットでは、身体を前へ突っ込ませるのではなく、真下へ沈むイメージでしゃがみます。
後ろ膝を床へ近づけるようにすると、動きをつかみやすくなります。

初心者の重量・回数の目安
ブルガリアンスクワットは片脚に負荷が集中するため、最初は自重だけでも十分きつい人が多い種目です。
| 段階 | 負荷の目安 |
|---|---|
| 初めて行う | まずは自重 |
| 自重で安定してできる | 軽いダンベルを持つ |
| 10〜12回が楽にできる | 少しずつ重量を増やす |
まずは左右8〜12回 × 2〜3セット程度から始めます。
大切なのは「何kg持つか」よりも、8〜12回行ってもフォームを崩さずにできることです。
重量を増やした途端に膝が内側へ入ったり、後ろ足で強く蹴ったりする場合は、一度重量を下げましょう。

ブルガリアンスクワットは自重でも意外ときつい種目です。まずは「前脚でしゃがんで、前脚で立つ」が安定してからダンベルを追加してみよう。
PLUS ONE|英語では何ていう?
ブルガリアンスクワットは英語で、
Bulgarian Split Squat
と書きます。
略してBSSと呼ばれることもあります。
研究論文では、
Rear-Foot-Elevated Split Squat(RFESS)
という名称もよく使われます。
意味はそのまま、
「後ろ足を高い位置に置いたスプリットスクワット」
です。
海外のフォーム解説や研究を探すときは、「Bulgarian Split Squat」と「Rear-Foot-Elevated Split Squat」の両方を覚えておくと探しやすくなります。
まとめ
ブルガリアンスクワットは、後ろ足を台に乗せて、前脚を中心に行うスクワットです。
大殿筋と大腿四頭筋を中心に、ハムストリングスや内転筋群なども使います。
普通のスクワットとの大きな違いは、片脚へ負荷を集中させやすいことです。
まずは自重から始め、
前脚に体重を乗せること
真下へ沈むこと
後ろ足で強く蹴らないこと
を意識しましょう。
左右とも8〜12回を安定したフォームでできるようになったら、少しずつダンベルで負荷を増やしていきます。
膝や腰に痛みが出る場合は無理に続けず中止してください。
参考文献・確認資料
- Helme M, et al. Is the Rear Foot Elevated Split Squat Unilateral? An Investigation Into the Kinetic and Kinematic Demands.
- Mackey ER, Riemann BL. Biomechanical Differences Between the Bulgarian Split-Squat and Back Squat. Int J Exerc Sci. 2021.
- Kassiano W, et al. Comparison of Muscle Growth and Dynamic Strength Adaptations Induced by Unilateral and Bilateral Resistance Training. Sports Med. 2025.
- Aygun-Polat E, et al. Targeted muscle activation in Bulgarian split squat variations. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2025.



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